はじめに

“人にやさしい街づくり”が叫ばれるようになって久しい昨今ですが、障害のある方や高齢の方にとっては、まだまだ不便さが改善しきれていない現状があると考えられます。とりわけ、障害のある方たちが外出する際「障害者向きトイレ」(本研究会ではこの呼称で統一します)が目的地にあるか否かは大きな問題といえます。事実、外出の際には必ずトイレの有無をチェックする、前日から水分調節をする、障害者向きトイレがないから行くのは諦めた、車いす用と書いてあったのに実際は車いすで入れる広さはなく困った等、様々な声が聞かれます。

また、障害者向きトイレの設置数は徐々に増えてきてはいますが、使いにくいものが新設されることも多くあるのが現状です。愛知県人にやさしい街づくり条例および名古屋市福祉都市整備指針は充分機能しているのだろうか、使いやすい障害者向きトイレを増やしていくにはどうしたらいいのか等の疑問の中で あいちトイレ研究会 が発足しました。

 研究会には、障害のある当事者を始め福祉関係者、建築関係者、医療関係者、大学教授、学生等が集まり、誰にとってもある程度使いやすい障害者向きトイレとはどのようなものか、どのようなトイレが要求されているかを調査しました。

この報告書が、これからのトイレ設計・施工をする上で関係者の皆様に活用され、より使いやすいトイレ設置の一助となり、さらには一人でも多くの障害のある方々が安心して外出できる街になっていくことを願っております。

最後に、本調査を実施するにあたり、極めてプライベートな部分のアンケートにご協力いただきました調査対象の方々に厚く御礼申し上げます。

平成14年12月

あいちトイレ研究会 一同


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